飽きずに何度も繰り返し行なう能力を、身に着けることに注力します。

 

技の上達は運動神経の良し悪しでは決まりません。
エビングハウスの忘却曲線に示される『人はただ単に記憶したことは一日後に75%忘れてしまう。』が知識の習得のみならず技術の習得にも当てはまるからです。
『順序を経て、基本を忠実に学び、原理・原則を理解して、何回も繰り返し行い、継続させること』で技が上達して行きます。
この中で特に『何回も繰り返し行い』を重視し、『やると決めたら飽きず、諦めず、努力し続けられる人』になることを目指します。

 

少林寺拳法には、昇級試験、昇段試験が有ります。合格すると帯の色が変わったり、袖章が変わります。
また大会に参加して優秀な成績を上げると表彰状やメダルを頂きます。それらはとてもうれしいことですが「しっかりした自分」に変える為の手段と受けとめます。

 

神様は人間を、目標やご褒美が無い状態で努力し続けられるように造ってくれませんでした。
水が上から下に流れる如く、人はつらい事から逃げ出して楽なほうへ流れる習性を持っています。
辛くても、諦めずに、努力したことが、合格、表彰、という形のあるもので報われて喜びを得る事で、更に努力する励みが生まれます。

 

 

しかし、ここで受け止め方を間違えないでください。たとえ合格や受賞に至らなかったとしても、これまで自分を向上させるためにどのように努力してきたか、その過程にこそ意味が有り尊いのです。

 

手段と目的を取り違えることなく、興味を持ちその中に楽しみを見出して淡々と稽古に励み、「しっかりした自分、他人を思いやれる自分」に己を変えて行ける人、になりたいと思います。